徳武産業株式会社
高齢者・障がい者向けシューズの製造・販売において、業界シェアNo.1。2022年に物価高騰・円安・中国ゼロコロナ政策により原価が2億円上がるも、経常利益率8%・過去最高業績を更新。
本社拠点 :香川県
従業員数:80名
売 上 :28億円
貢献心が強く、社員一人ひとりの能力も高い。しかし、社員が常に先代の会長に解決策を求める風土だった。2019年の事業承継を節目に、一人の経営者に頼る組織ではなく、組織の力で成果を生み出す「考える組織」への変革をスタート。トップダウンで答えを与えるのではなく、質問をとおして考える機会を増やすなど、さまざまな施策を実施。結果、2022年に物価高騰・円安・コロナ政策による原価2億円増の危機を乗り越えるに至った組織の軌跡に迫りました。
2.他部署と連携が取れず担当案件以外は他人事
3.協力体制が整っておらず業務効率に課題
2.他部署と連携がとれお客様に喜んでいただける商品づくりのためアイディアを出し合う組織へ
3.生産性が向上し、残業時間1/3、育児休暇取得率・復帰率・男性育児休暇取得率100%が実現
経営者としての取り組み
提案しやすい環境づくりで発言を取り入れる
德武 聖子様
全ての答えは経営者がもっている。父が社長の時代はいわゆるトップダウンの「文鎮型組織」でした。後継者の私は、アチーブメントの『頂点への道』講座の受講をとおし、トップの指示を待つ組織から社員が自ら考える組織に変革を決意。
社長就任後、一気に変革をするというよりも社員の反応に合わせて少しずつ学びを導入。まずは「学ぶことが楽しい」と思ってもらうことからでした。また答えを教えるのではなく「あなたならどう考える?」と問いかけ自ら答えを導きだせるようにサポート。さらに全社員一人ひとりのカルテをつくり、5つの基本的欲求や強みを把握し、受け取りやすい言葉で関わりました。
次第に社員からアイディアが出るようになり、一人の知恵に頼るのではなく組織全体の力を使って自ら考える組織に変化。コロナや戦争による原価高騰の危機を社員からのアイディアによるコスト削減で乗り越え、過去最高業績を生み出すことができました。
幹部としての取り組み(1)
徳武産業株式会社 営業部 営業1課 課長
白土 明徳様
- 転機自己認識の変化から組織変革へ
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以前は、課題は経営者が解決するものとどこかで思っており、会社の課題が自分事になっていませんでした。德武社長就任後、ご相談するとまずは自分の考えを尋ねられるようになりました。自分たちで考え解決しなくてはいけない。少しずつその状況を受け入れながらも、正直自分たちで考えることに不安と戸惑いがありました。
そんなとき『頂点への道』講座を受講。ありのままの自分を受け入れ、「違いがあるから良い」と他者との違いを受け入れることの大切さを学びました。
それから、一人で問題解決しようとするのではなく、チームや組織として解決する方法を考えるようになりました。
- 組織の変化自走する組織作りへ
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委員会発足により主体性が発揮され、
新たな取り組みが生み出されているそこで5つの課題を解決をする委員会制度を発足。思い切って委任し、役職のないメンバーを委員長に選抜。他の課のメンバーも参加する体制を整えました。はじめは戸惑いもありましたが、少しずつメンバーの自覚が芽生え、主体性が発揮されるようになり、担当者だけでは思いつかないアイディアがそれぞれの委員会から挙がってくるようになりました。
結果、自分たちが解決するんだという責任感も育まれ、他社事例を研究し取り入れたいという意見や、返品率の減少、販促ツールの改善案など、役職や立場に関係なくアイディアが提案される組織に変わりました。
これからも組織の力で課題解決に取り組み、より多くの方へ自社の商品を届けられるように尽力してまいります。
幹部としての取り組み(2)
徳武産業株式会社 商品企画部 企画開発課 課長
藤本 由弥子様
- 転機自己認識の変化から組織変革へ
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従来は担当者が「一人一商品」を開発する体制で、他の部署だけでなく部署内でも連携がなく、誰がどんな商品を開発しているのかわからない状況でした。一年かけて開発したものが承認会議で中止になることもあり、どうにか改善できないかという思いがありました。そんななか、リーダーに昇格。「一度技術を学んでみたら?」という、すでに『頂点への道』講座を受講していた社員からのすすめもあり、受講を決意。
一人のアイディアには限界があるけれど、組織の力を使うことで、より「お客様に喜んでもらえる商品づくり」ができるのではないかと思い、商品開発をチーム制にすることに。また何か問題が起きた時にすぐに事例を共有する組織体制に変えていきました。チーム制導入により、部署内でも他の人の商品に興味をもつようになり、どの商品も自分事に捉えられるような水質に変化していきました。
- 組織の変化自走する組織作りへ
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開発の責任者をされていた副会長からの手書きの
企画心得を常に見返し、大切にしているまた営業や品質生産管理などの他部門のメンバーにも協力いただき、商品開発の進捗状況を報告・相談する構成会議を発足。最初は問題を指摘されていると否定的に捉えてしまうこともありましたが、受講を進めていくうちに、意見の背景にあるものは、お客様を喜ばせたいという前向きな思いであることに気づくことができました。
構成会議を続けるなかで、様々な部署の意見や、販売実績から多角的なアイディアが生まれるようになり、よりお客様に寄り添う商品を開発できる体制に。組織全体を見渡してみても、各部署とのつながりが強化され、社員一人ひとりが企業理念を体現しようと自ら考えアイディアや意見を出し、部署を越えて協力し合える組織に変化しています。お客様に喜んでいただける商品づくりをこれからも組織全体で作り続けてまいります。