愛知県田原市で三代続く老舗水道工事会社を経営しながら、シングルファーザーとして3人の息子を育てている杉浦氏。選択理論を実践し正しさを手放したその道程には、どんな気づきがあったのかに迫ります。
子どもを苦しめていた「こうあるべき」という正しさ
「男は気合いと根性」。優しさは弱さだと信じて、息子たちにも厳しく接してきました。時には罰を与えたことも。そんなある日、次男から授業で書いてきた手紙をもらいました。「お父さん、いつも迷惑をかけてごめんなさい」──自分を責め、私に謝る内容でした。「こんなにも息子を追い詰めていたのか」と胸が締めつけられました。何かを変えねばと私は学びを求め、たどり着いたのが『頂点への道』講座でした。衝撃的だったのは選択理論の「外的コントロール」。そして、一人ひとり違った上質世界があること。私は自分の上質世界が正しいと思い込み、子どもたちに押しつけていた──。本気で「自分が変わらなければ」と思い、身につけたい7つの習慣を使った関わりを実践し始めました。
選択理論を実践するも次男に起きた突然の登校拒否
関係が深まった…そう思っていた矢先、突然、次男が学校に行けなくなったのです。弓道の県大会に出場し、充実しているように見えた直後、青天の霹靂でした。先生との面談で「自分のことが嫌い、死にたくなるときがある」と話した次男の姿を見たとき、心がえぐられるような思いになりました。そして、自己否定する息子を見て、気づいたのです。私自身も自己否定をしている──。経営者だから、父親だからと私自身が「こうあるべき」に縛られ、自分を叩いていたのです。自分自身が満たされていなければ、相手の欲求を満たすことはできない。そう思い、自分自身に「俺なりによく頑張っているよな」と、声をかけるようにしました。