[夫婦編]〝夫はこうあるべき〟という正しさを手放す 「変わるべきは私の方だった」

「夫に変わってほしい」と外的コントロールを使い、離婚寸前に。選択理論との出会いにより、自らの思考と行為の選択を変え、どうのようにして夫婦関係を修復し、愛されていることを実感する毎日を手にしたのかに迫ります。

見知らぬ土地でワンオペ育児 改善を夫に訴える日々

「私は何のためにここにいるのだろう」―会社を経営する夫と結婚するために、見知らぬ土地へ移住。3人の子どもの育児に追われ、頼れる人がいない。夫に早く帰ってほしい、もっと話を聞いてほしいと何度訴えても変わらず…。私はいつしか夫に「相手の気持ちが分からない人」とレッテルを貼り、夫婦関係は冷めきっていました。そんななか夫がアチーブメントを受講。夫から強い提案があり、何か新しいことに夢中になっている夫の行動に疑念を抱いた私は、この目で確かめようと受講を決意。選択理論にはじめて触れ「人は変えられない」ことを知りました。しかし、人は変えられないと頭では理解しても、出てくる思いは「夫に変わってほしい」でした。

「変わるべきは私」と気づき選択理論を実践

再受講を繰り返すなかで、夫婦関係や育児など今ある問題が何もなかったとしたら、本当はどうなりたいのかと考えたとき、浮かんだイメージ写真は「手を取り合い笑顔溢れる家族」でした。私は愛し愛される関係を望んでいたことに気づいたのです。しかし、望んだだけでは現実はよくならず苦悩の日々。初受講から3年が経ち再受講していたとき、「高山さんのおかげで」と夫に感謝する多くの声を聞き、ハッとしたのです。夫を否定しているのは、私だけではないか――。変わるべきは私なのかもしれないと、覚悟が決まった瞬間でした。まずは自分の上質世界に夫を入れ直すことからスタート。夫が出かけるときは笑顔で玄関まで見送り、相手の欲求充足を妨げず、自分の欲求を満たす工夫をしました。

自己変容の先に実現した愛し愛される夫婦関係

「私が正しい、夫が間違っている」。この考えを変えるのは容易いことではありませんでした。「なぜ私ばかり変わらなければいけないのか」と涙したこともあります。「幸せを実感したい」と歯を食いしばり、トライ&エラーを繰り返しました。正しさを少しずつ手放せるようになってきたとき、今まで夫の欠点に見えていた「相手の気持ちが分からない」は、「だからこそ、経営者として即断即決できる力がある」と私の価値観が肯定的に変化していました。そして「夫は夫のままで素晴らしい」と心から思えたとき、関係は大きく変わりました。今では、毎月2人の時間を作り、愛し愛され大切にされていることを実感。思い描いたイメージ写真が、現実となっています。現在は、選択理論を土台にしたパートナーシップ勉強会を、毎月開催。これからも笑顔溢れる家庭づくりを通して、社会に貢献してまいります。