[まとめ]経営者と幹部の企業理念へのこだわりが組織を動かす「理念浸透の力」となる

理念経営とは「組織の本来あるべき姿」を追求すること

「理念経営」や「理念浸透」と聞くと、どこか堅苦しく、抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし、理念とは本来、物事が「どうあるべきか」という根本的な考え方のことです。それは経営に限らず、夫婦関係、親子関係から健康管理に至るまで、人生そのものに存在します。経営における理念とは、「誰のために、何のために、なぜこの会社が存在するのか」という目的を明確にしたものです。目先の利益や損得に振り回される「営利至上主義」は、一時的に繁栄したとしても、利益を上げることが目的のため原理原則から外れ、長期的発展には及ばないでしょう。理念に根差した長期的、本質的、客観的な正しい判断基準をもつことこそが、永続的な繁栄の出発点なのです。

理念を明文化し理想の状態を目指す

ではどのように理念を浸透させるのか。理念を浸透させるプロセスでは、まずは理念を「明文化」すること。この会社は誰のために、何のために、なぜ存在するのか、事業目的を言語化することです。そしてそれを毎日全員で読み上げ、理念を心で理解し、共通認識をもつことから始まります。その共通認識が個々の「判断基準」となり、やがて「行動」へと変化していく。この積み重ねが、組織全体の「当たり前」という水質を変えていくのです。
もし理念から外れた価値観を感じる瞬間があれば、徹底的に話し込み、フィードバックを通じて軌道修正を行います。完璧を求めるのではなく、常に理想の状態を目指して「水質づくり」にこだわる厳格さが大切です。「鮎は清流にしか棲まない」といいます。経営者は企業理念を大切にし続けること。この一貫した姿勢が、社員が理念に基づき内発的に行動する組織をつくり上げます。

理念を組織の隅々まで浸透させるには

さらに理念を組織の隅々まで浸透させるのに重要なのは、経営者の想いを代弁する伝道師たる幹部の存在です。かつて松下幸之助翁の傍らに、常に「我が社の基本方針は」「我が社が大切にしていることは」と説き続けた故・高橋荒太郎氏がいたように、組織には徹頭徹尾、経営基本方針に立ち返り伝え続ける人が必要です。過去にアチーブメントでも私の想いとは違う価値観が優先されていることが見受けられました。そのとき私はすぐに、現在の執行役員である村田泉に教育担当を任せました。「アチーブメントが大事にしていることは」と2年間徹底的に伝道師のように伝えてくれ、理念を大切にする組織へと改善されました。理念を大切にする文化が醸成されると、新入社員も理念を大切にする人材へと成長します。組織の「水質づくり」を経営者だけでなく幹部とともにつくり上げることが理念浸透の秘訣なのです。理念を大切にする組織づくりをともに実践し続けましょう。