子育て 社員教育 経営者の自己研鑽
株式会社フロンティアホールディングス 代表取締役 中西 栄仁
部下は育つという上司の確信が、踏み込む勇気を生み出す
トップが明確な未来を指し示し、志を明言していたとしても、働くなかで迷いが生まれる社員もいるかもしれません。
「本当にこの組織で良いのだろうか」そんな思いを持つ社員が、持ちうる力を発揮できるようにするには、どのようにかかわるとよいのでしょうか。
センチュリー21グループの約1000の加盟店のなかで、常に売上トップ10に君臨し続け、低い離職率を実現しているフロンティアホールディングス代表 中西栄仁氏に、その秘訣を伺いました。
育てる側の信じる心があれば一歩踏み込める
ただ、事業目的・志に共感をしている人材であったとしても、迷うことや、仕事がうまく行かずに気持ちがめげてしまうこともあるでしょう。人ですから、それは仕方ないことです。そんなときに上司としてどのように関わっていくかが、部下の成長のレベルを決めていきます。私自身が部下とかかわる上でとにかくこだわってきたことは、部下のことを心の底から信じることです。部下のなかに目標を達成する力があること、それを発揮できること、この会社にとってなくてはならない存在であること。これを本気で思えているかどうかが問われるのだと思います。本気で思えていれば、きっとそれは部下にも伝わりますし、信頼し合える関係性が作られているはずです。良い関係性という土台があれば、伝えづらいことでもはっきりと言うことができます。私は性格上、少し乱暴に伝えてしまう癖があるのですが、何より部下のことを思っている自信がありますし、それが伝わっているので、しっかりと受け止めてくれることがほとんどです。
覚悟を決めて前に進む後押しをする
本当に理念共感している人材が最後は育っていく
おかげさまで、私たちの会社は140名ほどの社員が集まる組織に成長してきました。経営の転換点において、離職していった社員も少なからずいますし、幹部候補として考えていた人材が離れていったこともあります。ただ、確信を持って言えることは、本当に理念に共感していて、会社の発展を願う社員は、多少のことがあっても、ともに戦い、成長していきます。最後はそれを信じて、忍耐強く待つことが経営者の器だと私は思います。