窓口への暴力等相談件数は2022年度に過去最高に
昨今、スポーツ業界におけるパワハラや、暴力・暴言などのニュースがテレビや新聞などで話題になっています。実際、JSPO暴力行為等相談窓口に届く相談件数は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり減少した時期もありましたが、相談件数は年々増え続けています。ニュースに対する社会の反応からも、パワハラや暴力・暴言などの行き過ぎた指導方法は適切ではないと多くの人が考えていることが分かります。今、〝行き過ぎた指導〟を減らすため、指導現場では新しい指導法が求められているのではないでしょうか。
出典:暴力行為等相談件数の推移(JSPO 公益財団法人日本スポーツ協会)
https://www.japan-sports.or.jp/cleansport/tabid1355.html
指導者は自分の経験値から指導をしている
指導者の中には、今自分がしている指導に対して本当に効果的なのかと思っている人もいるかもしれません。その背景には、指導者の多くが「自分自身が受けてきた指導」しか知らない状態があるようです。調査結果によると、自身が暴力的言動を受けた人ほど、暴力的言動に賛成する。逆に、暴力的言動の経験が少ない人ほど、賛成意見は少なくなる傾向があると分かっています。つまり、自身の経験をもとに指導をするため、行き過ぎた指導が連鎖的に続いているのが現状なのです。これはスポーツに限らず、ビジネスにおけるマネジメントや、学校現場における教育についても同じことが言えるのではないでしょうか。
出典:「スポーツ指導における暴力的言動に関する経験と意見の関係」
笠川スポーツ財団『スポーツライフに関する調査』2014
https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/topic_pdf/sld2014_topic_E.pdf
良質な情報との出会いで、指導は変わる
選手やチームの実力を引き出す指導とは何か、どのようにしてそれを体得していくとよいのかを紐解いていきます。