[まとめ]企業文化の礎は経営者のあり方で決まる

ここまで3社の企業文化を醸成し成果を上げてきた取り組みをご紹介いたしました。ここからはどのようにして文化が浸透し達成型の組織をつくれるか、紐解いてまいります。
>【事例1】人が育つ組織を創り上げる決断 どん底から業界トップ1%に 飛躍を遂げた医院>【事例2】等身大な想いが社員の主体性と熱狂を創り出す 創業2年後から学びはじめ、社員数8倍・売上10倍を達成した企業>【事例3】社員教育と組織づくりを推し進める決断 業界トップブランドを創りあげたプロラボ流インナーブランディング

文化とは、言語、芸術、宗教、習慣、価値観、社会組織など、ある地域や集団に共有されている知識や生活様式の総体を指します。文化は、人々が生まれ育った環境や歴史、伝統などによって形成され、世代から世代へと受け継がれています。
文化は個々のアイデンティティを形成し、社会の結束を強化する役割を果たすとともに、人々の考え方や行動にも影響を与えます。多様な文化が共存する世界では、異なる文化間の交流や理解が重要とされています。(ChatGPTより)

経営者のあり方が組織の文化をつくる

文化とは何によってつくられるか。それは組織のトップ、経営者のあり方です。アチーブメントでは「上質の追求」という企業理念を掲げ、「わが社は選択理論を基にした、 高品質の人財教育をとおして、①顧客の成果の創造に貢献し、②全社員の物心両面の幸福の追求と、③社会の平和と繁栄に寄与することを目的とします」とし、3つの目的が成就することを経営の目的にしてきました。今期いくら利益が出るかということが話題の中心になることはありません。話題の中心は常に目的です。私は経済的合理性を否定的には考えていません。本当の意味での経済的合理性は長期的繁栄を生み出しますが、多くの人は目先の経済的合理性に捉われて帳尻合わせをしようとします。儲けることを目的に逆算して戦略、戦術、戦法を考えて経営をしている経営者の頭の中にあるのは数字です。苦しくなると人材をコストと見たり、教育を後回しにしたり、優秀な人材の採用を後回しにします。しかし私の頭の中にあるものは常に、社員とお客様と社会の縁ある全ての人が5つの基本的欲求を満たしていける理想の状態をどうしたらつくれるか、なのです。アチーブメントはコロナや東日本大震災、リーマンショックなどの世の中の経済危機のときこそ採用に力を入れ会社を発展させてきました。その理由はパーパス、目的に生きているからです。そしてその逆境のときこそお客様の力になるのが我々の役割だろうと、一点の曇りなく目的経営を貫いてきました。

経営者のセルフカウンセリングが文化づくりの第一歩

そこで有効なのが経営者のセルフカウンセリングです。主語を社員、お客様、株主、社会に変える。そして相手の5つの基本的欲求を満たすかかわりをすることです。相手の望みを叶えることを自分の望みとする。そのあり方が、社員の中に経営者に対する尊敬心や信頼を形成し、愛社精神やロイヤルティに繋がり、熱狂が生まれる。この段階をふむことで人が育つ企業文化が醸成されるのです。
3社の事例を見ても、まずは経営者が学んだことを徹底的に実践し、社員やお客様などステークホルダーの望みを叶える姿勢を貫く。そのあり方をみて社員から尊敬され信頼につながり、組織の当たり前が浸透し、文化が醸成され成果を上げる組織体へと変革されました。なかには社員の望みを叶えるかかわりをしたら社員を甘やかすことになるのではないか、と不安に感じる経営者もいるでしょう。しかし結果はそうはなりません。本当に縁ある人を幸せにしたいと心から思い経営をし、5つの基本的欲求を満たすかかわり方が、組織の結束を生むのです。
考え方が変われば人生は変わる。組織も同じように当たり前が変われば業績も変わります。既にある当たり前に流されず、社員自らが当たり前を考える組織づくりを目指していきましょう。

戦略を超える組織文化づくりのポイント

[1]経営者のセルフカウンセリング
「私」の部分を社員、お客様、取引先企業、協力会社、社会に変えてセルフカウンセリングする

1 「私」は何を求めているのか?
「私」にとって一番大切なものは何か?
「私」が本当に求めているものは?

2 そのために今何をしてるか?

3 その行動は「私」の求めるものを手に入れるのに効果的か?

4 もっと良い方法を考え出し、実行してみよう。

[2]経営者のミッションを明確にし、理想の会社を思い描く
誰のために、何のために、なぜこの会社を経営しているのか。
また経営者自身が一人の人間としてどのような人生を歩みたいか、
またどんな会社をつくり出したいか理想を明確に描きます。

これらを実行し、相手の望みを叶えることを自分の望みとし、
経営の目的を伝え続け実現に向け効果的な行動を選択し続けることで、
クオリティカンパニーへの道を歩み始めるのです。

[1]・[2]を繰り返して行い、諦めず実行し続けることで必ずよい文化は醸成されます。
ぜひ3社の事例を参考にしながらクオリティカンパニーとしての一歩を歩み始めてください。

アチーブメントグループ CEO
青木 仁志
北海道函館市生まれ。若くしてプロセールスの世界で腕を磨き、数々の賞を受賞。1987年のアチーブメント株式会社設立以来、47万名以上の人材育成と、7,000名を超える経営者教育に従事し、理念経営を志す経営者を数多く輩出。講師を務める『頂点への道』講座スタンダードコースは、28年間で700回毎月連続開催を達成したロングラン公開講座であり、新規受講生は3万6,574名にのぼる。40万部を超える『一生折れない自信のつくり方』シリーズを始め、累計66冊の著書を執筆。