プロスポーツ指導者に聞く!なくならない〝行き過ぎた指導〟「指導」の未来に求められるものとは

窓口への暴力等相談件数は2022年度に過去最高に

▲年度別相談件数推移(2022年度末現在)

昨今、スポーツ業界におけるパワハラや、暴力・暴言などのニュースがテレビや新聞などで話題になっています。実際、JSPO暴力行為等相談窓口に届く相談件数は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり減少した時期もありましたが、相談件数は年々増え続けています。ニュースに対する社会の反応からも、パワハラや暴力・暴言などの行き過ぎた指導方法は適切ではないと多くの人が考えていることが分かります。今、〝行き過ぎた指導〟を減らすため、指導現場では新しい指導法が求められているのではないでしょうか。

出典:暴力行為等相談件数の推移(JSPO 公益財団法人日本スポーツ協会)
https://www.japan-sports.or.jp/cleansport/tabid1355.html

指導者は自分の経験値から指導をしている

▲[図E-6]「スポーツ指導に伴う暴力行為に対する
意見」別に見た暴力行為経験種類の数の平均
注)グラフの数値は算術平均、検定は
Kruskal.Wallis検定による。

指導者の中には、今自分がしている指導に対して本当に効果的なのかと思っている人もいるかもしれません。その背景には、指導者の多くが「自分自身が受けてきた指導」しか知らない状態があるようです。調査結果によると、自身が暴力的言動を受けた人ほど、暴力的言動に賛成する。逆に、暴力的言動の経験が少ない人ほど、賛成意見は少なくなる傾向があると分かっています。つまり、自身の経験をもとに指導をするため、行き過ぎた指導が連鎖的に続いているのが現状なのです。これはスポーツに限らず、ビジネスにおけるマネジメントや、学校現場における教育についても同じことが言えるのではないでしょうか。

出典:「スポーツ指導における暴力的言動に関する経験と意見の関係」
笠川スポーツ財団『スポーツライフに関する調査』2014
https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/topic_pdf/sld2014_topic_E.pdf

良質な情報との出会いで、指導は変わる

ではどうしたら行き過ぎた指導を無くし、指導者と指導を受ける側、双方にとってよい指導ができるのでしょうか。何事にも通ずる原則ではありますが、まずは「知る」ことが最初の一歩です。良質な情報に触れることで、考え方・行動が変わっていきます。今回の特集では、情報に出会い自己変革を遂げてきた指導者の体験談と、業界を代表するような実績を上げてきた指導者のメッセージをお届けします。
選手やチームの実力を引き出す指導とは何か、どのようにしてそれを体得していくとよいのかを紐解いていきます。