三方良しの事業設計からすべてが始まる

アチーブメント株式会社 代表取締役会長 兼 社長 青木 仁志

ヒト・モノ・カネなどの環境面で、大企業ほどの余裕があるわけではない中小企業において、どのように社会貢献を考え、取り組めばよいのか。多くの方が頭を悩ますテーマですが、すべては経営者の頭の中にデザインがあるかどうかで決まると、弊社代表の青木は言います。どんな視点で、何を実行していくとよいのか、青木が直接解説いたします。

事業活動そのものが社会貢献である

「社会的合理性」の追求が重視される社会へと変化してきています。
そんな潮流を追いかけるように、日本でもSDGsといった言葉をよく聞くようになりました。

大企業がリーダーシップを発揮して取り組んでいますが、中小企業の経営者からすれば、「自分たちも何かしら社会貢献活動をやったほうが良いのではないか」と思われるのかも知れません。
しかし、この潮流に闇雲に乗るだけでは、自社の方針を見失ってしまいかねません。

重要なのは自社の明確な価値観や判断基準があった上で、社会貢献を考えることにあると思います。

実際に「事業成長と社会貢献のバランスをどのように取って行くべきか」という質問をもらうことがあります。
私の考えでは、そもそもこの2つは分けるべきことではありません。
松下幸之助翁の言葉を借りれば、「企業とは社会の公器」であり、社会が求めていること、次の時代に相応しい社会づくりをすることこそが、企業の役割なのです。自社が儲けるためや、経営者の私利私欲を満たすために存在しているのではありませんし、経済的に余裕があるから社会貢献をやるというわけでもありません。

事業活動そのものが社会課題の解決に繋がるのが本来の企業のあるべき姿であり、そのような企業こそがいつの時代も社会に選ばれるのです。

さらに言えば、雇用を創出し、納税をしていることそのものも社会貢献として考えることができます。
事業の成長に比例して社会貢献の幅も広がっていると言ってもいいでしょう。

ですから、健全に利益を出し、繁栄する組織を作り続けることが、すでに社会にとってプラスの役割を果たしているのです。

三方良しの確信が持てる事業設計か

ではどうしたら繁栄する組織を作り続けられるのか。
その答えはシンプルで、すべてのステークホルダーが喜ぶサービスを提供することです。

まずすべきことは、「社員」「顧客」「取引先企業」「社会」は何を求めているのかをそれぞれ深く考え、そこに対して自社はどのように貢献するのかを決めることです。
ここで言語化されたものが、企業の存在意義であり、企業理念と言われます。

次に、企業理念・存在意義から一貫した商品を開発することです。
徹底した品質にこだわり、正しく値付けをし、顧客にとって「支払ったお金と時間以上の利益を得られる」という確信を持てる状態に仕上げます。
そして、「縁ある方の人生の質の向上に繋がるものである」と信念を持って、徹底的に販売していきます。

この一連の流れを、経営者が誰よりも熱心に、力強く推進していくことです。

そして、得られた利益を納税・内部留保・分配に当てていくのです。
一般的にCSR活動と呼ばれる社会貢献活動に投資することがありますが、これも事業活動と分離して考えはしません。
むしろ事業の目的から一貫して、自社だからこそ貢献できる分野で取り組みます。

アチーブメントもこれまで、モータースポーツ支援やアスリート支援、途上国での学校校舎建設、学校教育支援、スポンサー活動などに取り組んできました。

モータースポーツ支援を例にあげてご紹介しますと、世界3大スポーツイベントの一つと言われるF1への登竜門、F3の冠スポンサーを3年間行いました。
一般的には、多額のお金を払い、知名度の向上を意図したメディア露出をするスポンサー活動ですが、それだけでは企業都合です。

F3支援では、「高品質の人材教育を通して社会貢献をする」という弊社の事業目的から一貫して、ドライバーたちに目標達成の技術を伝える勉強会を行ったり、チームのパフォーマンス向上のための研修を提供したりもしました。
教育に携わって培ったノウハウがあったからこそできた弊社独自の支援と言えます。

そしてこの投資も思いつきでやったのではなく、「世界最高峰」というビジョン実現に向けて、社員にとっての見通しを作り出し、かつ効果的なブランディング活動として機能すると判断したから取り組んだのです。

三方良しである見通しを持たずに、企業都合で踏み込んでしまうと、後々自社にとって大きな負担になってしまいかねないのです。

継続的にドライバー向けの目標達成研修を行った

「与える心」こそが組織発展の生命線

大前提として根底にある考え方をおさらいすると、企業の価値観や目指す方向性に対して、社員や顧客を魅了し、選んでもらう努力が必要ですが、その源泉にあるのは経営者が持つ「与える心」と言っても過言ではないでしょう。

自分中心的な経営者には、社員も顧客も長期的に見てついていくことはありません。
その先にあるのは衰退の道のみです。

だからこそ、安い給料で社員を使おうとするよりも、どうしたら価値ある人材に少しでも高い報酬を払えられるかを考えるほうが長期的に見たら建設的です。

顧客を騙して高い値段で商品を売ろうとするより、いかに少しでも付加価値の高い商品を適正価格で提供できるかを考えるべきです。
さらには、脱税をして利益を増やすことを考えるよりも、どうしたらもっと多くの方の役に立って売り上げを伸ばし、より多く納税できるかを考えるべきです。

「己の欲する所を人に施せ」という言葉がありますが、これを社員・顧客・社会に対して誠実に行う考え方と行動が、縁ある人を支援者・協力者に変えていくのです。
その結果、売り上げが上がり、組織が拡大し、長期的な繁栄が作り出され、その規模に応じて社会貢献の幅が広がっていくという善循環が生まれるのです。

明確な理念と、そこから一貫した経営戦略を持ち、徹底的に実行した先に、結果的に今の世界の潮流に乗ることが、中小企業繁栄の法則と言えるでしょう。

まとめ

■事業活動の活性化が社会貢献に繋がる

■三方良しの経営戦略が経営者の頭の中に存在していることが何より大切

■CSR活動は思いつきではなく、理念から一貫して判断・実行するもの

何を実践すべきか?

◦社員・顧客・社会が自社に求めるものを明確にする

◦それに対してどんな価値提供をするかの指針を打ち立てる

◦価値ある商品を開発し販売するその延長線上で取り組める

◦社会貢献を考え実行する