食の嗜好をコントロール

「おいしい」記憶の積み重ね

仕事を通した自己実現や、最愛の家族と過ごす癒しの時間など、日々の生活を充実したものにするには、身体が健康でなければ実現できません。
病気が悪化して医療機関に担ぎ込まれる前に、事前に対応していく時代になりました。

そこで今回は、日常の健康管理とは切っても切れない「食事」についてお話をさせて頂きます。

生きていく限り、お腹が減らない方はいません。
食事は好き嫌いで選ぶ方が大半で、栄養バランスまで考えている方はどれほどいるでしょうか。

例えば、食べ物を口に入れると、脳に「おいしい」という記憶が残ります。
副交感神経が働いた記憶は脳に定着しやすく、それ以降、同じ食べ物を目にすると脳が勝手に反応して、食欲が湧きます。
このように、個人の嗜好は「おいしい」記憶の蓄積によって形成されていきます。

この事実を意識すれば、自分の嗜好を上手にコントロールして健康管理に活かせます。

例えば、野菜の摂取量が少ない方は、野菜に対して「おいしい」という記憶が少ないのかもしれません。
その場合、多少は奮発してでも、新鮮な野菜が味わえるレストランに行くことをお勧めします。

自分の食生活に足りない栄養素が明らかになったら、「おいしい」記憶を積み重ねてみてください。
そうすれば、健康面も考慮した嗜好へと自然と変化していきます。

3週間と3カ月を目安に

食事の改善をしていくときは、3週間と3ヵ月がポイントになります。
血液の成分は3週間で入れ替わるため、まずは3週間を目標にしましょう。
さらに3ヵ月続ければ習慣化されます。

何かを決意する際には第三者の力を借りることも有効な手段です。
身体のことはかかりつけの医師に相談するのが一番。

決意を決めたらまずは医師に診察をしてもらい、習慣化された3ヵ月後の予約もしておきます。
健康は見た目だけでは判断しづらいですので、数値化して比べてみましょう。

変化が実感できれば、モチベーションも維持できます。身についた悪い習慣を変えるには、新たに良い習慣を上書きするしかありません。

何を食べればいいのか迷っている方のために、最後に、筋肉や細胞にとっては欠かせないコレステロールの話をしましょう。

不足すると血管が脆弱になり、破れやすくなるため、とくに善玉と言われる、HDLコレステロールを多く摂取できる食材は覚えておきましょう。

HDLコレステロールの高い食材は「おさかなすきやね」の順。お(お茶)、さ(魚)、か(海藻)、な(納豆)、す(酢)、き(きのこ)、や(野菜)、ね(ねぎ)です。

食事は毎日の習慣です。少し意識するだけでも、後々大きな違いになるでしょう。