〝感動〟が血管を若返らせる

閾値(いきち)の高さが健康にも影響

全身に血液を送るパイプの役割をしているのが血管です。
加齢による血管の硬化は万病の元ですが、意識次第では血管を柔らかくして若返らせることもできます。
今回は、血管の若返らせ方についてご紹介します。

人は何かの刺激を受けると、交感神経が反応します。
アドレナリンが出て血管が締まることで、血圧が上昇し、活動的になります。その後、副交感神経が働いて、脳内に幸せホルモンのエンドルフィンが分泌されることで、血管が緩んで、心地よさと共にリラックスしていきます。
これが自律神経の一連の流れとなります。

ここで重要なのは、交感神経と副交感神経には閾値があるということです。
閾値とは、反応が起こる最小の量のこと。

例えば、閾値が最も低いのは赤ん坊です。
小さな刺激に敏感に反応して、泣き出したかと思ったら、すぐに副交感神経が働いて笑顔になります。
天気のようにコロコロと感情が変わるのは、閾値が低いためです。
大人でもこのような方はたまにいます。

逆に、閾値が高い人は、すぐには怒らず、忍耐強くなります。
喜びに対しても、単純な「嬉しい」だけの認識ではなく、「愛おしい」「穏やか」など快の感覚を幅広く味わうことができ、深い満足感を得られます。
閾値が高いことは、健康にも良い状態だと言えるでしょう。

感動が閾値を上げる

自律神経を上手に刺激して、閾値を上げるにはどうしたらよいのでしょう。

手軽で効果的な方法は冷水シャワーです。
私は冬場を除いて、毎朝冷水シャワーを浴びる習慣を作っています。
一瞬の冷たさの後に爽快感がやってきて、副交感神経の閾値を上げやすくなります。

ほかにも閾値を上げる方法として紹介したいのは、感動することです。
例えば、音楽で初めての曲を聴いた時の感動と、10回目に聴いた時の感動は違いますよね。
繰り返し聴くと鳥肌が立つような感動はなくなりますが、演奏者の癖や間も意識できるので、1回目よりも確実に曲を理解できるようになっているはずです。

これは鈍感になったのではなく、感動の幅が広がったのです。
慣れるとは、閾値が上がったということ。
多くの人が表面的な部分だけ味わって満足してしまいますが、自分の感じ方を意識すれば、11回目以降も感動し続けることができます。

アチーブメントの講座でお伝えしているように“志を持って生きること”は、感動の幅を広げる行動と近いと私は思います。

強い意志を持ち、ひとつの道を進もうとする行為は、幅広くて奥深い認識に繋がります。
感動は健康に良いだけではなく、人生を豊かにしてくれます。
奥深い感動を、今後もたくさん経験していってください。