「9つの習慣」で免疫力を高める

自律神経を鍛えれば病気を予防できる

人の体は、ケガや病気はもちろん、精神的な不調までも、その都度治そうと動いています。
例えば、傷口から菌が入ると、それを殺そうと白血球が寄ってきます。
白血球が菌を殺し、その残骸が膿となり、やがてかさぶたになって元の皮膚通りに修復されます。これを自然治癒力と呼びます。

自然治癒力のカギは、白血球の中にある顆粒球とリンパ球です。

顆粒球は、自律神経から命令があるとすぐさま発動し、そのあとにリンパ球も付いてきます。顆粒球は菌に食いつき、自分の細胞の中に取り込みます。
一方、リンパ球は、菌やウイルスなどの抗原が体に害があるかどうかを調査し、必要があればタンパク質を抗原に合わせて変化させ、抗原を身動きできないよう包み込みます。
がん細胞をやっつけると言われている「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」もリンパ球の一種。
こうした「体を守る力」を、私たちは免疫力と呼んでいます。

この免疫力、実は、自律神経に大きく左右されます。
交感神経が優位だと顆粒球が増え、副交感神経が優位だとリンパ球が増えます。

休まずに働く人は、交感神経過多ですから、顆粒球が多くなりやすい傾向があります。
顆粒球とリンパ球、どちらも多すぎるのは問題。
自律神経を鍛えて、顆粒球とリンパ球のバランスがよい理想的な体をつくることが重要です。

まずは「五感」を使う

では、自律神経はどうしたら鍛えられるのでしょうか。その方法は9つあります。

1.生活リズムを整える
2.食事は腹八分目
3.運動をする
4.五感を使う
5.呼吸を意識する
6.感動する
7.情熱を持つ
8.薬はほどほどに
9.休暇を取る

急に全てをやるのは難しくても、「五感を使う」はオススメです。

町中のBGMやオブジェに注意を向けるだけでも意味があります。
例えば、私は大量に水が流れるオブジェを見て、「どのくらいの水量なんだろう。心臓は1日に7200リットルの血液を送り出すが、その100倍くらいかな」などと想像します。
すると、別の何かを見て、「あのオブジェと似ている」という新たな体験につながり、感情が動くのです。

感動が起こると、交感神経が優位に働き、アドレナリンが出て血管を収縮させ、血圧が上がります。
しばらくすると、血圧が上がりすぎないよう副交感神経優位になり、血管が開いて血流が良くなります。

このように、自律神経が正常に機能していれば、交感神経が優位になったあと、必ず副交感神経が逆作用として働くのです。
そのバランスを確かめながら経験を重ねることが、自律神経を鍛えるコツです。

感動は健康に良いだけではなく、人生を豊かにしてくれます。奥深い感動を、今後もたくさん経験していってください。