レストランの設え(しつらえ)で季節を楽しむ編

茶道を引き継ぐ日本料理店の設え

前回のコラムに引き続き、「設え(しつらえ)」についてご紹介したいと思います。

レストランは、もちろんお食事を楽しんでいただく場所なのですが、お料理だけでなく設えを楽しむ場所でもあるかと思います。

特に日本料理店や懐石料理を提供するお店は茶道からの流れで今日に至りますので、器はもちろんのこと、季節を感じていただくための生花などの植物、掛軸や絵画などを必ず設えています。

細かな季節の変化を楽しむ

ところで皆様は、「二十四節気(にじゅうしせっき)」「七十二候(しちじゅうにこう)」というものをご存知でしょうか。

日本の四季を、さらに24に区切ったのが二十四節気、さらにそれを3分割したのが七十二候です。

 

つまり、日本の季節というのは、実は4~5日ごとに移り変わりがあるということなのです。

 

例えば、5月5日~20日までを夏が始まる時期を表して「立夏」と言い、5月5日~9日頃は蛙の鳴き声が聞かれ始める頃を表して「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」と言います。

実際に、今も昔も変わらず、この頃には不思議と田畑などからカエルの鳴き声が聞こえてくるものです。

お料理や器とともに、玄関や店内の設えで季節の移り変わりに目を向けられること。
もしかしたらこれは、お食事をともにする方と一層素敵な時間を過ごす、レストランの一流の楽しみ方でもあるかもしれません。