料理を引き立て、人格を吹き込む器の存在
世界の料理の中で日本料理ほど器をこだわっている料理も、他にないと言っても過言ではありません。
一つの献立の中で陶器や磁器、漆器や金属、ガラスなど様々な器を使用します。
それは盛る料理と器が一体となって初めて美しさや季節感を演出するものだからです。
偉大な陶芸家、そして料理家でもあった北大路魯山人氏も“器は料理の着物”と表現しています。
例えば鯛のお造りにしてもプラスチックのパックに盛り付けては忍びないものになります。
それなりの器、季節に合うものに盛られてはじめて表現され人格のようなものが出てきます。
人が姿を整え、髪をとかしてきちんとすると、どんな人か想像出来るようになるのと似ていると思います。
料理の演出を楽しむ
料理店ではご来店されるお客様の事を考えて器選びを行います。
お客様に楽しんでいただく為の大事なおもてなしの一つです。
日本料理やお茶を楽しむ際には、ぜひ器にも興味を向けていただき、これまでにない深い楽しみを味わっていただければと思います。