2003年に愛知県刈谷市で歯科医院を開業。歯科業界は過当競争が続いており、医業収入が1億円を超えればトップ数%と言われています。同クリニックも開業当初は1日の診療人数が10名に満たない日も多くあったといいますが、今や医業収入は12億円・社員数100名超えのクリニックへ成長。どのようにして地域の方々に選ばれる歯科医院となったのか。理事長の山村様にお話を伺いました。
[POINT1] 患者様の健康を守ること喜んでもらうことにこだわる

開業当初から大切にしてきたのは、患者様のお口の健康を守り、喜んでいただくことです。治療が複数回にわたる場合、時間が経つほど来院が億劫になりがちです。そこで「10日以内に次回の予約を取ること」を徹底。患者様が増え予約が取りづらくなった際は増員増設をして対応。季節のイベントを実施し、時にはサンタの格好で診療して患者様との距離を縮め、健康は正しい知識によって守られるという考えから健康促進につながる情報を提供。妊婦さん向けの口腔ケアや子どもの年齢にあわせた食育・ケアのポイントを伝えるイベントの開催など、患者様の健康に貢献することにこだわってきました。
[POINT2] 国や地域が求める医療を追求しスタッフに浸透
しかしスタッフが40名を超えると「患者様に喜んでもらう関わり」が浸透しきらないことに危機感を感じていました。同時期に青木社長の本で経営の目的は「縁あるすべての人を幸せにすること」と学び、保険診療を扱う以上、スタッフも含めた関わる人を幸せにするには、国や地域が目指す方向に㆒致していくことが鍵だと考えました。
国の方針を調べると、少子高齢化が進むいま「地域で包括的な支援」「口腔健康から全身の健康促進」が歯科に期待されていると判明。そこで患者様・スタッフ・地域社会の「健康」獲得を支援する「健幸希求」という理念、「医科・介護との地域包括連携を通じ、全社員に物心両面の幸福と、地域には平均寿命=健康寿命を提供する」というビジョンを言語化。ブックにまとめ浸透させていくと、理念に共感し患者様のため・地域のためにと行動してくれるスタッフが増加。さらに多くの患者様が来院くださるようになりました。
[POINT3]専門分野の垣根を越え協力機関を増やす
地域の健康に貢献するには㆒医院の力だけでは限りがあります。
そこで専門分野の垣根を越えた連携に着手。例えばレントゲンに写った顎の骨の厚さから骨粗鬆症のリスクが見えた場合は専門機関へ紹介。糖尿病と歯周病は密接な関係があるため、糖尿病に詳しい看護師と歯周病に強い歯科衛生士の合同勉強会を開催し連携。さらに訪問看護やケアマネジャーといった在宅医療・介護の専門家を集めた「お口から健康を考える会」を立ち上げ、イベントのゲストには愛知県知事もお越しくださいました。縦割りになりがちな医療・介護の分野に横の連携を創出しながら、今後も地域の皆様にとってなくてはならないクリニックとして貢献できるよう精進いたします。
山村 昌弘医療法人志朋会
やまむら総合歯科・矯正歯科
理事長