当たり前の積み重ねの先に卓越がある なぜコロナ禍で時価総額1000億円への道が見出せたのか?

業界の74%が前年対比で売上減の建築業界。逆境に苦しむ企業が多くいる一方で、
ハドラスホールディングスは、抗ウィルス・抗菌加工コーティングの売上が大きくのび、
前年対比450%の達成を成し遂げている。新型コロナウイルスの蔓延以降、
数えきれない企業が抗ウィルス・抗菌加工を打ち出しているが、その中でいかに差別化を図り、
変化に適応をしてここまでの成長を作り出しているのか。代表の山本氏にお話を伺った。

チャンスを掴むストーリーを打ち立てているか

弊社は、当初外壁塗装やリフォームなどの施工をメイン事業としており、「経年劣化を抑える塗装はないか」という要望から、特殊塗料の研究開発を開始しました。新型コロナウイルスの蔓延以降、建築業界は、売上前年対比を割る企業が続出し、弊社もその例外ではなく、厳しい戦いを強いられていました。「このままでは先は見えている。何かを変えるタイミングだ」と、新たなビジネスチャンスを探していきました。
これまでも塗装の領域で、様々な商品に着手していました、例えば太陽光パネルや新幹線の特殊塗料や空気抵抗を軽減するゴルフクラブのガラスコーティングなど。その一つとしてあった抗ウィルス・抗菌加工塗装に大きく舵を切って、人員と費用をかけて、研究開発を進めると決断をしたのです。
とは言っても、抗ウィルス・抗菌を打ち出す企業はすでにありふれていました。この分野で勝負するということは、私たちを選ぶ理由が必要です。性能で卓越することはもちろんですが、それ以上にストーリーが大切だと私は考えました。そこで打ち立てた3つの強みがあります。
1つ目は、これまでの実績に裏付けられた技術力です。病院や公共施設に始まり、銀行のATMに自動販売機ビルの建物まで数多くの実績があり、新幹線などの車両などでも採用されてきた信頼のおける技術をベースにしています。2つ目は、海外との取引実績があり、世界的にも信頼をされている技術であることです。3つ目は、脱炭素であり、弊社がお届けするコーティング施行を行うことで、乗り物は燃費が良くなり二酸化炭素の排出量が減らせます。それに限らず蓄電池の寿命を伸ばすための保護塗料も提供しており、持続可能な社会を実現しようという世界的な潮流に乗った強みです。売り手と買い手だけでなく、社会に貢献できる。そんなメッセージを伝えていった結果、営業社員3名で、1年間の間で国内の名だたる企業130社に導入いただき、海外でも13か国以上と取引をするまでに、事業が成長し、売上前年対比で450%を達成できたのです。

市場のニーズに応えて各展示会にも出展をする

決断してやり切る力は、誰しもが必ず持っている

では、これが弊社だから特別にできたことかというと、そうではないと私は考えます。経営を始めてから23年間、正念場で諦めてしまう方をたくさん見てきました。その多くが、あと一歩踏ん張れば好転したにもかかわらず、諦めてしまうのです。やり抜く力とは特別なものなのでしょうか。私はそうは思いません。以前に小学生の会話を耳に挟んで心から感心したことがありました。ゲーム機を買って3人で遊ぼうと約束をしたが、そのうちの1人が、家庭環境を理由に買ってもらえなかったと嘆いていたのです。すると、もう1人の子が言いました。「約束したじゃないか。環境にせいにするなよ。俺はお前とゲームがしたいんだ。どうやったら買ってもらえるか一緒に考えようよ」と。独りよがりな言い方にも聞こえますが、私が感じたのは、やると決めたら諦めない、あらゆる方法を考えてできるまでやり続けるという「不退転の覚悟」でした。確かに家庭環境の問題はあるでしょう。しかし、何がなんでもという気持ちがあれば、方法はいくらでもあります。決断し、やり抜くこと。これは特別な力ではなく、小学生であっても発揮できる万人に与えられた力であると思います。それを正しく認識して、使えるかどうかが、勝敗を分けるのではないでしょうか。

小さな違いを作り続けることそれが卓越する条件に他ならない

そして、私の経験上、このやり抜く力を発揮するには、確固たる目的を持つ必要があります。絶対に実現したいイメージであり、ゴールです。それを描くことこそが、トップに立つリーダーに欠かせないものだと思います。描く上で何よりも重要なこととは何かというと、学ぶことだと思います。常に新しい情報を取り入れ、自分を磨き続けることです。揺るぎない信念とは、そうした日々のトレーニングのなかでこそ育まれるのだと思います。
例えば私は、アチーブメント社の『頂点への道』講座で学んだことを実践に落とし込むため、毎朝4時に起き、筋トレをしてベストコンディションを作り上げた上で、能力開発のプログラムに取り組んでいます。真剣に求めて取り組むので深い気づきを毎日得られます。そしてそこで気づいたことをすぐに経営戦略に組み込みます。その積み上げが今の結果を作っています。ビジネス成功の基本は、常に前を向き、チャンスを探し、お客様への貢献に集中することですが、数多ある障害を乗り越えて集中する力は、日々の小さな努力の結果身につくものであると私は思います。特にトップに立つ方ほど、この力を磨くことは欠かせません。これからも更なる成長と貢献を求めて力を高めてまいります。

 

ハドラスホールディングス株式会社 代表取締役社長 山本 英明
1998年、山本塗装として千葉県松戸市で個人経営をスタート。塗装工事業を中心に建築分野で事業展開。原点である建築・塗装工事業を軸に、ガラスコーティング剤の製造、研究開発及び販売、太陽光発電整備計一式、リフォーム事業等、多角的に発展し続ける。コロナ禍においては、抗ウイルス・抗菌加工コーティングを武器に前年対比450%UPを実現。5年事業計画を10億円に上昇修正。1年以内に達成見込み。スペインをはじめ、フランス・イタリア・ドイツ・ポルトガル・イギリスなど、海外でも事業展開をスタート。