[導入]価値観が多様化する時代において求められる「働きがい」とは?

[1] 約8割の管理職が「価値観の違い」に悩んでいる

令和の新卒社員は「Z世代」と呼ばれ、幼い頃からスマートフォンやSNSが身近にあるデジタルネイティブ世代です。「自分らしさ」を大切にする傾向があると言われますが、仕事に対する価値観が分からない・違うと感じる人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、8割以上の管理職世代が、Z世代社員のマネジメントに悩んでおり、一番の理由は、「働くことに対する意識や価値観が違う」ことです。多くの管理職が異なる価値観をもつZ世代に戸惑いを感じ課題意識をもっています。
マネジメントの悩み1位はZ世代社員との仕事に対する価値観ギャップ

出典:「Z世代のマネジメントに関する実態調査」ActionCOACH東京セントラル株式会社
https://actioncoach-japan.jp/tokyo-central/

[2] 〝24時間戦えますか〟から〝多様化〟へ

仕事や働き方の価値観は、時代とともに大きく移り変わってきました。「24時間戦えますか」に象徴されるように昭和から平成の移行期は、サラリーマン=猛烈に働くものだとされていました。その後、バブルが崩壊、働き方改革が叫ばれるようになり、ブラック企業という言葉が誕生。「ワーク・ライフ・バランス」が意識されるようになりました。
令和になり、コロナやAI技術の発達によって社会の変化は加速。SDGsやウェルビーイングという言葉が聞かれるようになり、Z世代をはじめ、働く人の価値観は多様化。ユニークな仕組みや制度を活用したワーク・ライフ・バランス重視の価値観もあれば、仕事を中心とした生活ではなく自分自身の時間を大切にする価値観も高まってきています。
一方で、〝ゆるブラック〟という言葉も出現。職場がゆるい・より成長できる環境を求めるといった傾向もあります。これまでのように、時代や世代で一括りにすることはできない価値観の多様化が進んでいます。
独立・起業、ベンチャー志向が高くキャリア観が多様化

出典:リクルートワークス研究所「10代価値観調査」(2022年)
https://www.works-i.com/column/works04/detail055.html

※Z世代とは、一般的に1990年代後半~2012年頃に生まれた世代を指し、2024年現在、20代前半から10歳前後の年齢の人が該当します。

[3] 価値観が多様化する時代、中小企業はどのような組織づくりをするべきか?

時代とともに大きく変化し多様化してきた仕事や働き方に対する価値観は、これからも多様化していくことでしょう。多様性と不確実性にあふれた現代社会で、未来を担う若者に選ばれ、成長をし続けるためには、企業はどのような組織づくりをすればいいのでしょうか?
今回は、企業ビジョンの実現のために組織を変革し、新卒採用を導入、組織の成長・従業員の働きがいを創り出している3社の事例から紐解いていきます。

林太一郎 株式会社関屋リゾート 代表取締役
西口昌宏 株式会社新日本エネックス 代表取締役 
水本洋一郎 株式会社志學舎 代表取締役