大分県別府市を拠点として旅館業を営む株式会社 関屋リゾートは、創業120年の歴史を持つ老舗旅館。別府にはなかったデザイナーズ旅館をいち早く導入するなど、独自の路線で経営しています。新卒採用倍率は75・4倍(採用7名。エントリー数528名)と学生からの人気も高く、2年連続で「働きがいのある会社ランキング」小規模企業部門でベストカンパニーに選出されるなど、社員満足度も高い企業です。いかにして若者からの注目を集め、働きがいを創り出しているのか、代表取締役の林太一郎氏に伺いました。
| 株式会社 関屋リゾート | |
| 創業 | 1900年頃（明治後期） |
| 売上 | 7億2000万円 |
| 本社所在地 | 〒874-0831 大分県別府市堀田5組 |
| 従業員数 | 正社員40名 パート社員28名 |
| 事業内容 | 旅館ホテル業 |
1 理念共感型の新卒採用
５次選考まで実施。単に面接を行うのではなく、社員や管理職の社員と対話したり、現場で実際に働いてもらったりする機会を選考の過程に導入。学生がもつ価値観を明確にしていく支援をしながら、最終的にお互いのやりたいことがシンクロするのかを見極めている。
2 社員の自己実現を支援する面談
入社後は１か月に一度面談を実施。価値観教育を行いながら、社員が何を求め、会社のなかでどのような自己実現を果たしたいのかを明確にする支援をしている。また、成長を望む社員に対しては、入社年に関わらず役職を任せて成長の機会を与えている。
3 お客様の声をもとにした社内アワード
ご宿泊いただいたお客様にアンケートを取り、その評価をもとに社員を表彰。一人ひとりが輝ける舞台を作ることで、社員の自信を育んでいる。また、お客様のニーズを見える化することで、社員が内発的にお客様満足度を追求する機会となっている。
お客様満足度の追求を土台に
会社をデザインする
株式会社 関屋リゾート
代表取締役
林 太一郎
代表取締役に就任したのは2008年のこと。当時はがむしゃらに働き、10年で10倍の規模にまで成長。しかし、実情は二度の集団離職が起き、社内の人間関係はボロボロでした。「社員を幸せにできていない」。気づいていたものの、とにかく業績を追いかけ、目標から上だけを見て経営していたのです。『頂点への道』講座を受講し、考え方が根本から変わりました。「いい会社は高収益で社員が幸せな会社」という言葉に感銘を受けたのです。両立は難しいとばかり考えていましたが、そんな会社にしたい。学びを継続し、会社を改革する決心がついたのです。
熟考した末、全ての鍵は「お客様満足度の追求」にあると結論を出しました。社員の幸せも会社の発展も、全てはお客様満足の先にしかありません。社員が内発的に「お客様満足度の追求」をすることから逆算して、満足される接客やサービス、仕組みを企業理念を土台に徹底的に構築していきました。さらに、お客様満足度の追求の先にある理想の状態をデザイン。「常に成長し続ける企業」「会社は社員の自己実現の舞台」。理想が広がり、落とし込んでいくことができたのです。そこから採用も変わりました。「お客様に喜んでもらえること」の素晴らしさ、プロとしてこだわる姿勢を学生に見せ、私たちが最も大切にしていることを感じ取れる選考にしていったのです。おかげさまで、毎年着実に理念に共感した人材の採用ができ、離職率の大幅な低下はもちろん、この20年で業績も23倍以上の拡大を実現しました。お客様の声を聞き、更なる感動を創り出し、旅で世界とヒトを明るくする企業となるため、これからも挑戦し続けてまいります。
人が輝き、ときめく瞬間を作れる場
GALLERIA MIDOBARUスタッフ
私は就活をはじめたころ、自分が何をしたいのか不明確でした。いくつか企業の選考を受けましたが、自分自身と向き合えている実感がありませんでした。関屋リゾートの選考では、社員の方が、「幸せな人生を歩むために自分が何がしたいのか」に気づけるような関わりをたくさんしてくださいました。そのおかげで、「私は純粋に人の喜ぶ姿が好き」だということが明確になり入社を決めました。入社後も、お客様が輝き、ときめく瞬間を作れていることが実感でき、大きなやりがいを感じています。
お客様の喜びを追求しながら
成長できる組織
GALLERIA MIDOBARUスタッフ
自分がやりたいと思えることを追求しながら、成長できる企業を求めて就活をしていました。関屋リゾートは、社員自らがプロジェクトを企画して、新規事業に挑戦するなど、自分が成長を望みさえすれば挑戦できる、「自己実現の舞台」であることに魅力を感じました。実際に入社後、日々の仕事でお客様が喜ぶサービスを提供しながら、広報や人事の仕事も自ら進んでチャレンジしました。お客様の満足を追求しながら、挑戦し成長する機会を提供してくれる環境が働きがいに繋がっています。