STEP2-1.マネジャーとしての基本スタンスを身につける

Q.どうしたら伝えるべきことを伝えきれるようになれますか?

A.マネジャーとして伝えるべきことに
自分自身が100%の納得感を持つことが第一歩です。

フィードバックの主語は「私」ではなく「理念」

「嫌われたらどうしよう」「辞められてしまったらどうしよう」「離れていかれたらどうしよう」。言いにくいことを言おうとする場面では誰でもそのような恐れと出会います。この原因は何かというと、マネジャー自身が「私がどう思われるのか」という考えに固執しすぎているからだと思います。フィードバックの基準を示すのが「私」であると捉えていると、もしかしたらメンタルブロックがかかってしまうのかも知れません。
私が普段から心がけているのは、フィードバックの基準を「組織の理念や目的」に置くということです。つまり、「私」がどう思っているのかというより、「理念」から考えるとどうか。「理念」が指し示す方向性から考えれば、いまの行動は本当はどうあるべきか。その角度からメッセージを伝えています。フィードバックの基準に「人の存在」が入ると、部下のなかで「好き嫌い」という余計な感情が生まれてしまいます。行動の改善よりも感情のほうが先行してしまい、素直になれない可能性があります。それでは改善行動は生まれにくいでしょう。主語はあくまで「理念」です。小さなことのように思えますが、理念に対する深い理解と共感、そして正しいロジックを持っている限り、必ず伝わっていきます。

経営陣を信頼し理解を示す姿勢がメッセージに力をもたらす

理念を深く理解し、言語化し、経営陣が決めたことを遂行していく上で最も重要視すべきこと。それは、マネジャー自身が100%納得しているかどうかです。純度100%でそう思えているか。仮にこの時点で違和感があったとしたら、それは部下にも伝わってしまいます。とはいえ、長いビジネスキャリアのなかで、違和感を感じることもあるでしょう。そんなときほど、マネジャーの腕が試されるときです。まずは最大限に経営陣の判断を尊重し、理解に努めましょう。経営陣は、自分が捉えているよりも、もっと深いレベルで物事を洞察し、的確な判断をされています。その深い思慮を経て下された決断は、簡単には理解できない可能性があるのです。だからこそ、なぜその判断をしたのだろうか、何を一番意図しているのだろうか、徹底的に考え抜きましょう。経営陣の決断は変えることが出来なかったとしても、その決断に対するマネジャー自身の解釈はいくらでも変えることが出来ます。視座を高めて経営陣と同じものを見れるように努力をしましょう。どうしても自分で良い解釈が見つけられないとするならば、直接聞くことです。違和感は放置しても膨らむだけなので、いち早く自分の力で解消しましょう。解釈力を高めていくトレーニングです。さらに言うと、より自由に生きていくためのトレーニングです。納得度100%を貫ける限り、マネジャーのメッセージには力が宿ります。

「良くなってもらいたい」そう思う限り一歩踏み出せる

何よりも最も伝わるのは、部下を思う心だと思います。良くなってほしい、力をつけてほしい、幸せになってほしい。マネジャーが心からそのように思えていたとしたら、自然と一歩踏み出せるはずです。何のために話すのかということを今一度マネジャーのなかでセットアップをして、部下に関わっていきましょう。
マネジャーの仕事とは非常に負荷が大きいものだと思います。私自身が経験してきたからこそそれは痛いくらいに理解しているつもりです。そして、マネジメントの技術とは、一朝一夕で上達するものではありません。しかし、確信を持って言えるのはトレーニングをしていくことで必ず上達していくということです。腰を据えて取り組んでいきましょう。私たちアチーブメントは、みなさんの力になりたいと切に願っています。ぜひ活用してください。そして、部下とともに成長し、強い組織を創り上げていってください。

アチーブメント株式会社
執行役員/西日本エリア担当営業部長/トレーナー 村田 泉

1998年アチーブメント株式会社入社。シニアコンサルタントとしても1000名を超えるクライアントを達成に導くパートナーとして活躍。2009年、大阪支社長に就任し、支社を4年間で3倍の売上に成長させる。2015年には、全国を統括する営業本部長に就任。全国で約70名を率いながら、営業管理職の育成に着手する。経営陣、メンバーから絶大な信頼を得て、アチーブメントが大切にしているマネジメントスタイルや理念文化を継承する役割を一貫して果たしている。

 

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