ハワイ州立大学で日系人の不老長寿やがん免疫学を研究する岡田氏。研究ではハーバード大学やマサチューセッツ工科大学出身者が多く活躍するなか、日本人として人間性を認められ、現在疫学チームで国際共同研究をリードされています。その人格形成の背景には、一冊の本『THE LAW OF SUCCESS』(英語版)との出会いと、恩師・聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生の言葉が重なる瞬間があったと言います。本書がもたらしたものとは何か、岡田氏にお話を伺いました。

いただいたという原著
2015年、私はカリフォルニア大学で感染症の研究をしていました。現地の大学生は誰もがナポレオン・ヒル博士の『THINK AND GROW RICH』を読んでいたので、私も自然と読んでいました。そして、どの書店でも売られていて、その傍らにある分厚い本の存在がずっと気になっていました。そんな12月のある夜、実験室に残っていた私に、尊敬する教授が「あなたには可能性がある、アメリカでの成功方法が全部書いてある」とずっと気になっていた分厚い本『THE LAW OF SUCCESS』をプレゼントしてくれたのです。私は辞書を片手に夢中で読み進めました。単なるお金を稼ぐ成功ではなく、真の成功は人格を磨き、人として豊かに生きることであるという〝人間としてのあり方〟が書かれていました。その日以来、いつかこの本を日本語で読みたいと思っていたので、迷うことなく購入しました。

かつて日野原先生に師事していたとき先生は「人間としての完成を目指しなさい」とおっしゃっていました。当時の私は知識や技術の習得に必死で、その真意を汲み取れませんでした。しかし読後、改めて見渡すと、アメリカの組織で上に立つ人々が、㆒様に優れた「人格者」であることに気がつき、先生の言葉がようやく理解できました。それ以来〝理想とする人格をすでに体現している人を思い描き、今日からその人格を生きる〟という考えを大切にやってきました。「日野原先生ならどうするか」と心のなかで先生の人格を招き入れ〝心の会議〟を実践。その結果、能力や人種の壁を超えて「君は人格が素晴らしいから、残ってほしい」と評価をいただき、現在、ハワイ州立大学で研究を続けることができていると思います。
本書を日本語で深く理解できることは、非常に貴重な機会です。ぜひ、一章ずつ「自分なら何を実行するか」を決め、実践することをおすすめします。私自身、辞書を引きながら内容を理解し、日々実践を繰り返したことでアメリカでの道が拓かれました。一冊の本との出会いは偉大です。本書は、自らの未来を切り拓く確かな力になると確信しています。
岡田 悠偉人ハワイ州立大学マノア校
がん疫学部╱疫学専門家
聖路加国際病院にてアフリカにおけるHIV研究に従事した後に、米国がん研究センターにて日系人のがん予防の研究を行う。現在は日本人の不老長寿を研究する基礎研究にも従事している(米国医学博士)。