勝利者への道は「できると信じて、できるまでやり続ける」こと

勝利者への道は「できると信じて、できるまでやり続ける」こと

ここまで、4名のプロスピーカーによる、成果をつくる具体的な行動術を扱ってまいりました。ここからは、行動術を身につけるポイントについて、アチーブメントグループCEO青木仁志が解説いたします。

行動できる人とできない人を分けるもの

私はこれまで、47万人以上の人材育成に携わってきました。徹底的に行動をし、心から望む成果を手にする人がいる一方で、行動ができない、せっかく行動をしても続けられず、本当に欲しいものを手にする前に行動をやめてしまう人の姿もみてきました。
何が両者の違いをつくりだしているのでしょうか。その決定要因は「思考」にあります。人は行動する前に必ず何かを考えています。ですから、行動できる人とできない人がいるのではなく、「できる」と考え行動する人と「できない」と考え、行動できない人がいるのです。
あるノミの実験という話があります。

ノミの実験
体長2ミリ程度のノミは、30センチ飛ぶことができる。仮に高さ20センチの瓶にノミを入れると、ノミはその瓶からはみ出す高さのジャンプをくり返す。しかし、瓶に蓋をしてしばらく置いておくと、ノミは蓋のある20センチの高さまでしかジャンプをしなくなる。その後、蓋を外したとしても20センチの高さまでしかジャンプをしない。

ノミは本来、自分の体長の150倍も高く飛ぶ能力があるにもかかわらず、蓋にぶつかると高いジャンプをすることをやめてしまいます。良くも悪くも、環境に適応していくのが生物なのだともいえるでしょう。そして多くの人もまた、困難や未達成という蓋にぶつかったとき、「できない」という思考を選び行動を止めてしまいます。
しかし、ここで大切なことは、人は「蓋」を外すことができる存在であるということです。なぜならば、生物のなかで人間だけは「考える」力をもっており、「できる」という思考を選ぶことができるからです。ただし、この「できない」という「蓋」を外すことができるのは、宇宙でただ一人、自分自身だけです。

どうすれば可能思考を身につけられるのか

可能思考は、後天的に身につけることができます。私は社会の底辺からスタートしました。最初から自信があったわけでも、行動ができたわけでもありません。ただ一つ言えることは、「よくなりたい」という一心で何千冊もの書物を読み、成功者の教えを自分のなかに徹底的にインプットしてきたということです。特に、大ベストセラー『成功哲学』は、何度も何度も読み返しました。しまいには、著者のナポレオン・ヒルが書いていることなのか、私が考えていることなのかが分からなくなるほどでした。
つまり、「できる」という思考を身につけるポイントは、繰り返し、繰り返し、自らの意識下に肯定的な言葉をかけ、それが信念となるまで続けることです。

常に成果が出る人は「無意識」でできるまで継続する

成果を出す人たちは皆「できる」という信念のもと、成果をつくる効果的な行動を考え、実行しています。しかし、人間が1日のなかで「意識」して行動ができることは限られています。ケンブリッジ大学Barbara Sahakian教授の研究によると、食事や運動も含め、人は1日に最大3万5千回の決断をしているといいます。一方で、人の行動の9割以上が無意識だという研究結果もあります。
ですから、実はいつも成果を出す人というのは、「無意識」のレベルで成果をつくり出す行動を選んでいるのです。行動には、4つの段階があります。第1は「無意識でできない」レベル。第2は「意識してできない」レベル。第3は「意識してできる」レベル。第4が「無意識でできる」というレベルであり、習慣といいます。ご受講生の皆さんには、ぜひこの成果を出すことが当たり前の「習慣」になるまで、行動術を磨いていただきたいと思います。

なすべきことを知り、それが習性となるまで続けることができれば、目標は必ず成就できます。4名のプロスピーカーの皆さんがお話しくださった行動術を参考にしながら、勝利者としての行動習慣を磨き上げてください。皆さんの成功を心より願っています。

アチーブメント株式会社 代表取締役会長 兼 社長/アチーブメントグループ CEO
北海道函館市生まれ。若くしてプロセールスの世界で腕を磨き、数々の賞を受賞。1987年のアチーブメント株式会社設立以来、47万名以上の人材育成と、7,000名を超える経営者教育に従事し、理念経営を志す経営者を数多く輩出。講師を務める『頂点への道』講座スタンダードコースは、28年間で700回毎月連続開催を達成したロングラン公開講座であり、新規受講生は3万6,574名にのぼる。40万部を超える『一生折れない自信のつくり方』シリーズを始め、累計66冊の著書を執筆。

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