自らの未来を創り出す! アファメーションで押さえたい5つのポイント

アチーブメント株式会社 代表取締役会長 兼 社長 青木仁志 

成果を出す人が使っているのが自己暗示

私が、これまで36万名以上の研修に携わり、能力開発を研究してきた中で、一つの結論があります。

それは、高い成果を出す人々は、例外なく、イメージの力を使っていること。
同時に、イメージを具体的にするために「言葉の力を活用している」ということです。

言い換えれば、自分に対する言葉、つまりアファメーションや自己暗示の言葉を使っていると言えます。
他ならぬ私自身も、自己暗示によって未来を創り出してきました。

かつて、学歴も人脈もお金も何もなかった私が、17歳で社会に出て、フルコミッションセールスの世界に入り、トップセールスになれた理由。
それがまさに自己暗示にあります。

トップセールスになる前から、「トップセールスマン」だと信じ、鏡の前で「お前はセールスの天才だ」と自分に向かって叫び続けました。

もちろんトップセールスになれる根拠など当時の私にはありません。
しかし、〝そう思い込んだ〟ことによって、「トップセールスマンだとしたらどう行動するか」という思考となり、行動が変わっていきました。
自己暗示の結果、トップセールスマンになり、その後のキャリアが築かれたといっても過言ではありません。

これ以外にも私は、自分で自分を鼓舞する言葉を数多く作成し、事あるごとに、それらを唱えてきました。

例えば、「何事でも他の人々からして欲しいと望む通りのことを他の人々にもそのようにせよ」という言葉を私は常々口に出しますが、これは自分の生涯の規範である黄金律に生きることへ暗示をかけているとも言えます。

ポジティブな言葉、積極的な言葉、理想像を口に出すことは大変重要なことなのです。
今の私は、自己暗示で描いてきた通りの人生を送ることができています。

よい自己暗示の5つのポイントとは?

そもそも、自己暗示はその目的によって2種類に分けられます。
それは、「自己概念を高める暗示」と、「目標達成のための暗示」です。

前者は、定性的、後者は定量的です。 思考を現実化させていくためには、確かに両方が重要なのですが、特に皆さんに習慣にしていただきたいことが、「自己概念を高める暗示」です。

なぜなら人は、自己概念を高めていけば結果的にその自己概念に相応しい高い目標を目指そうとします。
しかし、自己概念が低ければ、高い目標を目指すことは難しいでしょう。
したがって、常に保つべきは自己概念の高さであり、こうした観点から見れば、自己暗示の言葉は定性的なもので良いと思います。

皆さんにもそれぞれが持つ、「自らの理想のイメージ」があるでしょう。
ぜひ、それを言語化し、毎日それを読み上げていただきたいと思います。

ここでは、ぜひ皆さんの作成の一助となるように、良い自己暗示の言葉のポイントを5つ挙げたいと思います。

① 長期的視点に立った、自らの理想のイメージが含まれている。
② 肯定的な言葉である。
③ 3R(責任・正しさ・現実)の観点から逸れていない。
④ 自分の言葉で作成し、主語が「私」もしくは「あなた」である。
⑤ できた文章を、毎朝・毎晩に唱えることを毎日繰り返す。

特に、④に関して補足すれば、ある研究によると、自分に対して「私はできる」と言うより、「あなたはできる」という言葉かけのほうが、その後のパフォーマンスが向上したという調査があるようです。
他信を自信に変えることも、実証的な研究がなされているということでしょう。

確かに、私も主語を「私」にせず、「青木仁志」として、自分に語りかけるように次のような言葉をボイスレコーダーに吹き込み、毎日聞いていました。
一部をご紹介しましょう。

「青木仁志、お前はできる。お前は成功者だ。青木仁志、お前は子どもの頃、人がしない様々な経験を積み上げてきた。だからお前は必ず幸せになる。お前には神様がついている。幸せになる権利を有している。お前は必ず幸せになる。お前は必ず成功者になる。成功者としての人生を全うする」

特にクラブ会員の皆さんは、自己宣言文など、『頂点への道』講座の中で様々な自分へのポジティブな言葉かけをするでしょう。

初めは他人の言葉でも構いません。
ただ、できれば自分の考えた文章で、さらに自分の言葉で、唱えると、暗示の効果は増していくでしょう。

自己暗示は良くも悪くも自らの運命を創り出す

ナポレオン・ヒルは『成功哲学』の中で「信念とは自己暗示によって生み出される心の状態である」と言っています。
私もまったく同意見です。

しかし、9割以上の人は、自己暗示やアファメーションの効果を信じていません。
繰り返しますが、私は自らの経験と能力開発のプロとしての観点から、人は自己暗示によって「自らの運命の支配者になれる」と強く主張したいと思います。

暗示とは行動の源にある、思考に影響を与えるものです。
あらゆる情報が暗示になりえます。
だからこそ、情報の選択が大変重要なのです。

つまり、マイナスな思い込みで自らに暗示をかけ続けた人は、その通りの人生を選択してしまいます。
一方、これまで述べてきたように、ポジティブな暗示をかけ続ければその通りの人生になります。

自己暗示は現実を決定する言葉なのです。
それゆえに指導者は暗示の力を理解して他者に対しても、正しく使わねばなりません。

「他者への暗示」は、「洗脳」と混同され、ネガティブな意味で使われますが、これらは明確に異なります。
「洗脳」は強制的で相手をコントロールしようとするもの。
しかし「他者への暗示」は相手の願望実現の支援をするものであり、そこに強制はありません。
むしろ相手の自信を育むものです。

指導者は、周囲の人に肯定的な暗示をかけ、自己概念が上がる支援をして欲しいと思います。
ぜひ、自分の理想像・イメージを言葉にし、毎日唱え続けることで、自らの思考を現実化させ、縁ある人に貢献できる自分へと近づいていきましょう。

 

青木 仁志(あおき さとし)
北海道函館市生まれ。若くしてプロセールスの世界で腕を磨き、トップセールス、トップマネージャーとして数々の賞を受賞。その後に能力開発トレーニング会社を経て、1987年にアチーブメント株式会社を設立。会社設立以来、43万人以上人財育成、5000名を超える中小企業経営者教育に従事。自ら講師を務める公開講座『頂点への道』講座スタンダードコースは28年間で700回毎月連続開催達成、国内屈指の公開研修へと成長。現在では、現在では、グループ4社となるアチーブメントグループ最高経営責任者・CEOとして経営を担うとともに、 一般財団法人・社団法人など3つの関連団体を運営している。