一瞬で明暗を分ける、セールスですべき最初の質問とは?

皆さんのなかにも、カラオケに行ったときにこんな経験をされたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分の歌う順番が回ってきて曲が流れ、そしていよいよ歌いだし。

このときにはじめのキーを外してしまい、そのあともなかなか修正できず、点数が伸びない・・・
こうなると歌っている途中で、もう一度初めからやり直したくなってしまいます。
やはり歌いだしはとても大切です。

これと同じようなことはセールスにおいても言えるのではないでしょうか。

今回扱うのはセールスの最初の段階である、ヒアリングについてです。
お客さまと会った後、商品を提案していくためにお客さまを知る質問をするわけですが、このときお客さまの「現状」と「理想」、どちらを先に聞くのが良いのでしょうか?

結論からいうと、これは間違いなく「理想」です。
なぜでしょうか。

今までにこんな経験をしたことはありませんか。

どうしても欲しいものが見つかって、少し高かったけれども奮発して買ってしまった経験。
いわゆる「衝動買い」もこの種の経験の一つかもしれません。
少し高いとはわかっていても買ってしまう。
理想が持つ「人を動かす力」が、実は非常に強いということの象徴です。

このことからもわかるようにセールスでは、お客さま自身に「自分の理想」を思い浮かべてもらう。
そしてその理想を叶える提案をすることがお客さまの決断を後押しすることに直結するのです。

たしかに「現状」を先に聞くほうが簡単でしょう。
なぜならば現状とは自分が「今手に入れている状態」であり、お客様にとっても話しやすい内容だからです。

理想を話すことは「自分がまだ手に入れていない状態」を話すことであり、恥ずかしいと感じるお客様も多いはずです。

しかし先に「現状」を聞いてしまうと、そのあと「理想」を聞く際には「今の自分はお金がないから」などといった、お客さまの現状を考慮した中途半端な理想しか出なくなってしまいます。

これでは本当に欲しいものが手に入らず、お客さまにとってもよくありません。
お客さまの満足を創りだす、決断を後押しするセールスをするためには自分から理想を話して自己開示をすることなどによりお客様が自分の理想を話やすいような雰囲気をつくり出し、そしてそのお客さまの「現状」よりも先に、「理想」をたくさん聞くということが大切なのです。