事例3 躍進を遂げる「理念共感型人材」の育て方 理念共感が創り出した社員の主体性 逆境下でも最高業績を達成

躍進を遂げる「理念共感型人材」の育て方

理念共感が創り出した
社員の主体性逆境下でも最高業績を達成

そのサービスの質の高さで、県外からも指名で患者が来院し、高い評価を受けるクリニックの背景にある人材育成の手法とは?

女性に喜んでもらえるサービスを

「すべての女性の幸せのために、すべては女性の幸せのために…」。これが私たちの大切にしていることです。女性が満足し、輝き、望む人生を歩める、そして幸せに生きていられること、このために私たちはクリニックを運営しています。この思いの源泉となっているものは二つあります。一つ目は、私自身の出産の経験です。今の日本社会は、決して出産・育児をしにくい環境ではないと思いますが、しやすいかというとある意味で障害になっていることもたくさんあると感じています。仕事との両立、家族の理解、困った時に助けてくれる存在など、私自身が出産・育児をしていて、困っていたところもさまざまありました。周囲に理解されず、苦しい思いをしている方もきっと多くいらっしゃることと思います。そんな方々の力になりたい。私自身が困っていたことを解消できるサービスを届けたい。女性にとっての拠り所となるクリニックを経営したい。それが第一の思いです。
そして二つ目が、周囲への感謝です。医者になるという道も、開業するという道も、どれも私一人でなし得たことではありませんでした。振り返れば両親の存在があり、開業を支援してくれるたくさんの関係者の方々の存在があり、そして一緒に働いてくれているスタッフのおかげで今があります。アチーブメント社の講座を受けるなかで、人生を棚卸しし、自分が何のために生きているのかを整理しました。その結果、自分がどれだけ多くの方の恩恵を受けていて、どれだけの方の思いの上で成り立っているのかがよくわかりました。私一人の人生ではない。多くの方の期待を背負っている。その方々に報いるためにも、私が成功する必要がある。そんな大きな原動力を得たのです。この二つの思いを胸に、日々診療に励んでおります。

スタッフが主役の組織を目指して

すべての女性という言葉には、もちろんスタッフも含まれています。彼女らも出産や育児を経験している人もいますし、全員が一人の女性として輝いてほしい存在です。彼女らが豊かになるために必要なこととは何かというと、仕事での成果に他なりません。そのためにも経営のスタイルを見直し、みんなが輝ける組織にしようと努力をしてきました。そのきっかけはアチーブメントで学んだ理念経営の考え方でした。全員に共通する働く目的が明確化した時に、組織は最大のパフォーマンスを出していくと。まさに求めているのはこれだと思い、理念を打ち立てましたが、最初は受け入れてもらえませんでした。

オフィスに掲げられた理念

今思えば、私が一方的に決めてしまったからだったのだと思います。長い月日をかけて、理念経営にチャレンジしてきましたが、私一人で全てをやろうとするのではなくて、良い意味でみんなを頼ろう、みんなの力を借りようと思えた時から、理念の浸透が進んでいったように思います。スタッフは優秀な人たちばかりです。彼女らが主体的に考え行動できる場こそが、良い職場環境であると学んだのです。患者様のために、そしてスタッフのために良い経営がしたい。喜んでもらいたい。私自身が持つその思いの純粋性が、スタッフを巻き込む渦の中心になるのだと身をもって体感しました。

クリニック理念を全スタッフで毎日確認している

どう思われるかではなくて、純粋に目的を追求し続けて発信すること、そして力を貸してほしいと素直に伝えること。そうして少しずつ組織はよくなっていったのです。

コロナ禍がもたらした一致団結

コロナは正直、かなりの負担でした。産婦人科は不要不急の真逆の存在です。コロナになったからといって、診療しなくてもいい状況にはなりません。加えて念入りな感染対策が欠かせません。スタッフには多くの負担をかけました。精一杯やってくれているみんなを気遣って、私も無理な要望は言わないようにしていたのですが、逆にこのコロナの期間が、スタッフの主体性が一番引き出された期間でもありました。具体的な指示出しを減らした分、「院長がいつも言っている理念にそって考えたらいいんだよ。どうしたらいいかみんなでアイデアを出し合いましょう」といった声が飛び交ったのです。

女性のためにというミッションで
つながった組織に成長している

心から嬉しかったです。みんな苦しい今だからこそ、患者様のために地域のためにそして仲間のために私たちにできる最大限の工夫をしよう。そして、一人でも多くの笑顔を創出して、みんなで喜ぼうと。お陰様で過去最高業績を達成できました。スタッフたちが誇りです。彼女らがクリニックを牽引してくれています。日本の明日のために、すべての女性のために、私たちは今日も理念に生き続けます。

純粋無垢な動機を持ち続ける限り
社員も顧客も必ず味方をしてくれる。
その先に、組織の躍進がある。
吉本レディースクリニック 院長 吉本 裕子
富山県出身。産婦人科医師として活躍し、2005年に吉本レディースクリニックを開業。「すべての女性の幸せのために」をミッションに、徹底した女性目線の診療にこだわる。県内でトップレベルの分娩件数を誇り、2020年7月に出生数10000名を超える。そのサービスの質の高さを求めて、県外からも来院する患者が後を絶たない。

▼特集「躍進の2022へ 勝利を掴むマスターキー」一覧へ戻る▼