[3 徹底的に学ぶ] 確固たる信念を育む学び方で人生が変わる

得た知識を知恵にまで落とし込み、行動に活かしていくこと。これが学ぶことの一つのゴールといえますが、そう簡単に成し遂げられることではありません。このテーマを紐解くのは、中西栄仁さんです。創業した不動産販売の会社を15年で上場まで導き、理念が浸透した盤石な組織を作り上げられてきました。その裏舞台は、学びと実践の連続だったといいます。どのようにして知識を知恵に落とし込んできたのか、お話を伺いました。

完璧完全ではない自分を真正面から受け止める

創業から15年がたった２０２２年、弊社はおかげさまでTOKYO PRO Marketへの上場を果たしました。うまく行っている会社といわれることが多いのですが、この15年は本当に試行錯誤の連続でした。自分の自己中心性や弱さ故に、間違った判断をしてしまったり、社員を傷つけてしまったり、お客様の信頼を失ってしまったりしたことは幾度もありました。それでも貫き通してきたのは、よりよい人間になる、よりよい会社にするという信念でした。私一人にできることは多くはありません。多くの実績を出してきましたが、どれも社員やお客様や協力してくださっている多くの方々のおかげです。縁ある方々に対して感謝の思いで溢れ、より貢献したいと、全力を尽くす覚悟ができているかどうか。いついかなるときも、そのような考え方ができるよう、鍛錬をし続けてきました。
世の中には、価値ある情報がたくさんありますが、それを知って終わってしまう人がほとんどです。知って満足してしまっているのでしょう。そうではなく、深く理解をすること。さらには理解だけではなく実践し尽くすということ。自分の血肉になるまで、とことん落とし込むことが大切なのです。ただ学んだだけでは何も変わりません。健全にできていない自分、不完全な自分を知り、更なる努力をし続けようとする心構えがまずは大切だと思います。

理解や暗記を超えた「無意識」の深さまで徹底的に学ぶ

私が大切にしているのは、特別なことではなく、無意識のレベルで成功の原理原則に則った行動ができるように、徹底的に学ぶということです。『頂点への道』講座を２００５年に初受講しましたが、それ以降ずっと続けているのは、講座の内容を収録したフォローＣＤを毎日聞くということです。

再受講を通して何度も学び直す内容が、そのＣＤの中に全て詰まっているので、これを体得できれば成功を手にしたと言っても過言ではないと考え、取り組んできました。それは内容を暗記できるという程度のことではありません。人生にも経営にも、予想外のことがたくさんおきます。歴史的な転換点と言える出来事ほど、大概が予想外の時に訪れるものではないでしょうか。そんな時は、ゆっくりと時間をかけて考え、判断する余裕はなかなかありません。だからこそ、無意識でも原理原則に則った判断ができるようになることをゴールに、学び続けてきました。聞いて覚えた上で、原理原則を実践する自分をイメージし、五感をとおしてその姿を脳に叩き込むのです。来る日も来る日も聞き続け、イメージし続ける中で徐々に成長を手にしてきたのです。いまでも完璧には程遠いと日々反省をしていますが、理想とする経営には大きく近づくことができました。

経営者の学ぶ背中を見て社員が育つ

よく、自社の社員がなかなか学ばない、組織が成長していかないと悩む経営者の方と出会うことがあります。私の経験を踏まえて思うのは、経営者自身が表面的にしか学んでおらずに、学んだことに確信を持てていない状態ですと、その迷いが社員に伝わってしまうということです。その状態では「社長とともに学びたい」とはならないのも無理はありません。経営者が本気で学び、知っていて理解しているというレベルを超えて、自分の考え方の深いところにまで落とし込むことができた時に、メッセージの伝わり方が変わってきます。社員は、その会社を信じて、経営者を信じて入社してきたのですから、当然よくなっていきたいと思っているはずです。その環境を整え、学ぶことによって豊かになっていく見通しを示すことが経営者の役割なのではないでしょうか。
誰よりも経営者自身が学び続け、組織の未来を切り拓いていく。私自身も、変わらずに、ここに生き切っていきたいと思います。

一つの学びを、無意識に実践できるまで深く学ぶ。
そのこだわりが圧倒的な成果を生み出す土台となる。

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