いちいち上司から言われなくても、自分で考え、自分で行動し、自分で改善できる。
そんな部下を一人でも多く育成することは、上司にとって永遠のテーマではないでしょうか。
しかし、現実は
・部下がいつも指示待ちでなかなか自分から改善しない
・同じミスを繰り返しては反省の色を見せない
・責任を自覚しておらずいつも上司任せ
そんな部下の姿に、イラッとしてついつい攻撃的な口調で関わってしまうような経験はございませんか?
強く当たるのが良くないとはわかっていても、上手くいかない時には、感情的になるのが人間です。
では、部下が主体的に物事を考え、自ら行動をしていけるように指導するには、どうすればよいのでしょうか?
気付きを与える質問から主体性が生まれる上司が感情表現することは、時には非常に大切で、決して悪いことではありません。
しかし、マネジメントにおいて、人は他者評価を突き付けられたところで、自ら行動を改善するモチベーションは湧きません。
仮に行動が変わったとしても一時的で、評価をした人がその場を離れるとまた元の行動に戻ってしまいます。
本人が心から変わりたいと思わない限りは、変わって行くことが難しいのです。
重要なのは、外からの情報によって刺激して改善を促す外的アプローチではなく、気付きを与える質問をする、内的アプローチを使うことです。
人の行動のメカニズムを解き明かした「選択理論」を応用した「リードマネジメント」では、「自己評価を促す関わり」が部下の行動改善に対して効果的だと提示しています。
部下が目標達成に向けて、内発的に行動するようになる自己評価を促す2つのポイントをご紹介しましょう。
問い詰める言い方はせず、穏やかに聞く
正しいか正しくないのかという上司の先入観をいったん置いておき、命令をする一方的なコミュニケーションにならないように、協力的な姿勢を保ち、質問をすることが大切。
・悪い例: あと1週間しかないぞ、このままだと目標に全然届かないけど、わかっているのか?
・良い例: 残り1週間で目標達成に対してどんな行動計画があるのかな?
していること、行為に焦点を当てて尋ねる
部下がどう思っているのか、どう感じているのかではなく、今何をやっているのかを客観視できる質問をすることが重要です。
上司から一方的に事実の提示をせず、部下に自分で考えてもらう必要があります。
・悪い例: またぼーっとして、お前は本当にやる気があるのか?早く行動して、少しでも成果作ってこい。
・良い例: 何をしていいのかわからなそうな様子だったように思うけど、目標達成に対してどんな取り組みをしているところかな?
自己評価と他者評価では、受けた側が感じることは全く違います。
シンプルな2つのポイントですが、ぜひ、内発的に目標達成へと向かう部下育成の参考にしてみてください。